テーマ20 目標達成と管理職者が持つべき経営者意識
■担当部署の一国一城の主としての目標達成の意味
「管理職者として目標を達成する」という意味合いは、
人によって、いろいろと掲げられると思いますが、
担当部署の一国一城の主の責任、使命というものを考えますと
実務的には、管理職者として目標を達成するという意味合いとしては、
下記の2点を押さえておくことが必要です。
1.担当部署内の部下の給料を払うこと。
2.担当部署内の部下に、やりがいのある仕事を与えること。
管理職者の方の研修の中では、
今後6ヶ月間の目標や獲得すべき成果を設定して頂く場合、
目標設定にあたって、下記のようなことを考えて頂きます。
・6ヶ月後、1年後、2年後、3年後に担当している部署が必要とする
売上、利益を確保することがイメージできるか。
・6ヶ月後、1年後、2年後、3年後に担当部署内の部下の給料を
間違いなく支払えることがイメージできるか。
・自分の部署が発展し、人員が増え、部下の給料も上げることがイメージができるか。
上記のようなことが、明確にイメージできないと、
今、立てている管理職者としての6ヶ月間の目標は、
基本的には、意味のないものになってしまいます。
また、上記のようなことが明確にイメージできますと
目標を達成するという管理職者としての
使命、責任、仕事などが認識できますし、
目標を達成できなかったでは、済まされないという意味合いも理解できます。
現在は、AI(人工知能)を中心に、周辺技術が進展し、
道内のIT関係の企業様におかれましても、AI技術を取り入れた、
新商品の開発、販売が進んでおります。
また、IT関係以外の企業様におかれましてもAI(人工知能)
を取り入れた商品の取扱いに積極的に取組まれています。
このような状況の中で、管理職者の方が、取組むべき課題、目標、獲得すべき成果
というものは、企業経営にとって非常に重要なものとなっております。
一方、「P・F ドラッカー著 現代の経営 ダイヤモンド社」の中で、
ドラッカー氏は、「人は最高の仕事をしたがる」、「仕事は人の成長を促す」、
「仕事は働く者にとって常に挑戦である」と述べております。
部下は、会社から給料をもらい生計をたてるために働きますが、
仕事を通しての成長や生きがい、やりがいを感じない仕事が続くと
モチベーションを低下させ、いずれは退職していくことになります。
管理職者にとって「人と仕事のマネジメント」とは、
「部下の意欲を仕事に結びつける仕事」となります。
具体的には、部下が成長していくことを常に意識して部下に仕事を与え、
部下の日々の仕事の中で、進捗状況に応じた助言や部下の職務能力向上
のためのアドバイス、モチベーション向上のための声掛けを行うことです。
このように、管理職者には、現状をよく理解し、考えて、考えて、
考え抜いて自ら目標を設定し、成果を上げ、担当部署を発展させていくこと、
その中で、部下を指導・育成し、成長させていくことが求められます。
■経営者意識は、職場の実践のなかで体得する
京セラやKDDIの創業者であられます稲盛和夫氏は、
「稲盛和夫著 アメーバ経営 日経ビジネス人文庫」の中で、
下記のようなことを述べております。
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従業員として「してもらう」立場から、リーダーとして「してあげる」立場になる。
この立場の変化こそ、経営者意識の始まりなのである。
そうなれば、「一定時間を働けば、一定の報酬がもらえる」という立場から、
180度変わって、今度は、メンバーの報酬を払うために自らが稼ぐ立場になる。
そのため自己犠牲を払ってでも、経営をよくしていこうと思うようになる。
どんな合理的な経営管理システムがあったとしても、
それを活用するリーダーやメンバーにやる気がなければ、
目標を実現することはできない。すばらしい採算制度があるから、
現場の採算が向上するわけではない。
現場のメンバーが、何としても採算を向上させたいと思うからこそ、
自らの意志で高い目標にチャレンジし、採算が向上していくのである。
アメーバー組織をひとつの生命体としてまとめていくには、
その集団のリーダーの考え方と行動が大変重要となる。
まず、リーダーは、「自らの組織を、このようなすばらしい美門にしたい」
という夢を思い描かなければならない。
自らの組織を理想的な部門にしたいという強い願望を持ち、その実現に向けて
自分の持つすべてのエネルギーを集団に注ぎ込むことが大切である。
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経営者意識は、自ら目標を立て、実践し、実際に成果を獲得していく中で、
実感し、体得していくものということもできます。
自ら目標を設定し、必達の想いで取組むことにより、管理職者という
組織の長としての熱意、努力、勇気、信念、責任感・使命感なども
おのずと身に着くと思います。
管理職者という部下を持つ立場になった以上は、
「部下の給料を払うこと」、「部下にやりがいのある仕事を与えること」、
この2つの項目は、根底として持っておかなければならないものとなります。
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